助産師の資格を取りたい人が注意することは?

執筆者:看護大学・専門学校受験ナビ編集部

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看護師免許取得者が助産師学校などの養成機関で6ヶ月以上の専門教育を受け、 助産師国家試験に合格すると取得できます。 看護大学では助産師の課程を設置している学校もありますが、 近年は大学院や専攻科に助産コースを移す大学が増えているので、 必ず最新の募集要項にて、ご確認ください。
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せっかく助産師の資格を取れる学校に入学しても、助産師になれないことも…

多くの大学では助産師のコースに人数制限を設けています。 1学年で10人程度のところが多いようです。 お産自体にリスクがあり、新人に容易に任せられないという理由や少子化によりお産の現場に立ち会える機会が少なくなっているので、 大勢の人数の実習を確保できないという事情もあります。 成績上位者が助産の課程を選択できたり、 助産志望者対象に助産課程を取るための試験を設けているところもあります。 つまり、助産課程のある看護大学に入ったからといって、 必ず助産師のコースに進めるとは限らないのです。 これは本当に助産師になりたい人にとっては大きな問題です。 大学に入学しても安心しないで、 助産師課程を履修できるようにしっかり勉強しましょう。

本当に助産師になりたい人は、大学院、専攻科、助産学校の道も考えておこう

万が一、大学で助産課程に進めなくても、 大学卒業後すぐに、あるいは看護師として数年間働いて経験を積んでから大学院、大学の専攻科、助産学校に入学すれば良いでしょう。 看護師としての経験を積んでおくことは、助産師になる場合でも無駄なことではありません。 また、大学で助産師の資格も取ろうとすると、学校生活はともて忙しいものになります。 看護の勉強と助産の勉強の二つをしなければなりません。 看護の実習と助産の実習は別なので、体力的にも精神的にも覚悟が必要でしょう。 看護の実習だけでも楽ではないのに、助産の実習も加わるとなると相当大変です。 以上のような理由から、大学4年間で「看護」と「助産」を学ぶのには、 時間的制約があるので十分な助産教育ができないという指摘もあり、 助産師教育を行う大学院が近年増えています。

助産師の役目、取り巻く環境は?

助産師は出産の援助や妊娠している女性への保健指導、育児相談が主な仕事です。 また、出産後の入浴の仕方、授乳の仕方など育児指導も行います。 外科手術をしたり、産科機器や薬剤を取り扱うことはできませんが、 助産師には開業権が認められていて、助産所を開業することもできます。 現在、助産師として働いている人は約2万6千人。 助産師の9割近くが、病院や産婦人科医院に勤務しています。 助産師が開業する助産所の数は少ないですが、 近年では自然な方法の出産が再び注目され始め、自宅での出産の関心も高まっています。 看護師を目指す人のなかには、助産師になりたい人も多いようです。 近年では「出産難民」という言葉ができるほど、 地方など出産施設がない地域や産科医の減少などにより、 行き場を失った妊婦が出現する状況もあります。 産科医の不足は社会問題になっています。 産科医の仕事自体が激務であり、労働環境が悪化していること、 お産はリスクを伴うものであるがゆえに、訴訟も多いのです。

助産師外来とは?

さて、助産師は正常な出産なら産科医と同じことができる資格です。 助産師に正常分娩を任せ、帝王切開など難しい分娩を産科医に任せ、 産科医の負担を減らそうという取り組みがあります。 また、「助産師外来」を設置している病院も少ないですが、増えつつあります (埼玉県の深谷赤十字病院は全国に先駆けて、助産師外来に取り組んでいます)。 正常な経過の妊婦の割合は7割で、リスクの高い妊婦は3割です。 7割を占める正常分娩を助産師に任せれば、産科医はかなり楽になるという発想です。 産科医だけでなく、助産師も不足しています。 お産はリスクを伴うので、助産師にお産の全てを任せられないという産科医の声もありますが、 助産師の需要は増えることが予想されますので、就職に困るようなことはないでしょう。

※ 「助産師外来」のメリット
① 産前・産後の細やかなケア
② 産科医と同様の出産が可能
③ 産科医との密接な連係プレー
産科の病院は全国に約6000あるが、助産師外来などは115程度。まだまだ少ない。

 

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