文部科学省が方針転換!看護系学科の新設に対して厳しく審査!

文部科学省が2015年4月に開学する看護系学科の新設分から、
設置審査を厳しくすることになりました。
看護教育の質の低下を防ぐためです。
具体的には「届出設置制度」の見直しです。
「届出設置制度」の問題点は以下の通りです。
以下、文部科学省「届出設置制度の課題と見直しの検討について」からの引用です。


 

 現在、学位の分野に関しては、「学位の種類及び分野の変更等に関する基準」(平成15年文部科学省告示第39号)に定められているが、その学位の種類の設定が大くくりに定められているものが存在している(例えば、看護師や理学療法士等のいわゆる目的養成分野については、それぞれカリキュラムや教員の専門性が異なるにもかかわらず、「保健衛生学関係」として一くくりの分野として扱われているため、認可審査を経ずに、届出制度を通じて組織改編が可能となっている)。
  他方、目的養成分野においては、カリキュラムや教員に求められる専門性が相当程度明確であり、かつ分野間での互換性があまり高くないことから、届出設置に際してほとんど新規採用教員のみで教員組織を構成するケースも少なくなく、本来、認可審査の対象とすべきものであるにもかかわらず、届出によって設置が可能であるため、場合によっては、教育研究の質の担保に大きな懸念が生じる場合があり得る。このため、このような届出設置における目的養成分野の取扱いについては、学位の種類の在り方の見直しが必要。

出典:文部科学省「届出設置制度の課題と見直しの検討について」

保健衛生学分野には、
放射線技師、鍼灸、柔道整復師、看護師、助産師、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、
授業のカリキュラムや教員の専門性が異なるにも関わらず、
「保健衛生学分野」としてひとまとめにされていました。
例えば、「柔道整復の教員が看護に関する授業が行える」とは思わないでしょう。
しかし、法的には「保健衛生学分野」として看護師と柔道整復が関連性が高いと判断されている状況でした。
こういった状況を改善するために、「保健衛生学分野」を見直して3つにわけます。
・保健衛生学関係(看護学関係)…看護師、助産師、保健師
・保健衛生学関係(リハビリテーション関係)…理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
・保健衛生学関係(看護学関係及びリハビリテーション関係を除く)…放射線技師、鍼灸、柔道整復師など
保健衛生学分野を3つに分けたことにより、
異なる目的養成分野間の届出設置ができなくなりました。

今までは 「保健衛生学分野」の学科を持つ大学であれば、
手続きが簡単な「届出」で、同じ分野の看護系学科を新設することが可能でした。
「届出」では、教員の実績は審査対象にはならないのです。
今後は教員の実績が審査対象になる「認可」が必要になります。

例えば、今までは 「保健医療学部 診療放射線学科」が
届出によって「看護学部 看護学科」を設置することが可能でした。
今後は 「保健医療学部 診療放射線学科」は、
届出によって「看護学部 看護学科」の設置はできなくなり、
「認可」を必要とします。

文部科学省が近年に新設された学科を追跡調査。
設置計画履行状況等調査(アフターケア)の結果・平成25年度

設置計画履行状況等調査(以下、アフターケア)とは、
大学の設置認可時等における留意事項及び授業科目の開設状況、
教員組織の整備状況、その他の設置計画の履行状況について、
文部科学省が、各大学からの報告を求め、書面、面接又は実地による調査のことです。
以下、「平成25年度調査結果の概要」から引用。


全体としては、科目開設や教員配置など設置計画が着実に履行されており、変更がある場合も、相応の理由や止むを得ない事情があったものと認められる。しかしながら、一部には、設置計画を着実に履行する必要性に対する認識不足などを背景に、履行状況が不十分な大学が見られた。

出典:文部科学省「設置計画履行状況等調査の結果等について(平成25年度)―3.平成25年度調査結果の概要」


アフターケアによると、近年に看護系学科を設置した大学の主な改善点としては、
入学定員の超過、実習先の変更、授業内容の大幅な変更、教員の離職率の高さなどです。
看護系が志願者が集まるだけに、定員以上に多くの学生を入学させてしまったり、
看護系大学が増え、教員不足に悩まされている状況があるようですが、
上記のような問題を抱えている大学は一部であることを申し添えておきます。

看護系大学の競争が激化するなかで、大学が志願者を集める方法

1991年度には11校だった看護系大学は、
2014年春現在、226校にまで増加し、全大学の3割に上ります。
今後もしばらくは、看護系大学は増加し続けるのではないでしょうか。
というのも、定員割れを起こしている大学が少なくない中で、
志願者を安定して確保できる看護系学科は、大学側にとって魅力的だからです。
看護系大学が多くなればなるほど、
学生の奪い合いになり、志願者を減らす大学も出てくるでしょう。

さて、看護系学科を設置する大学がこれだけ増えると、
これからの大学に要求されることは、
入学した生徒の満足度を上げることに尽きるでしょう。
もちろん、大学が不必要に生徒に媚びろ…と言っているわけではありません。
生徒に「この大学に入って、本当に良かった」と思ってもらうことです。
口コミで大学の評判の良さは自然と広がります。
学校外の友人・知人、出身高校の後輩、親戚縁者などに、
在学生を通して評判の良さが伝われば、結果として、大学の志願者増加につながるはずです。
志願者集めには様々な媒体の広告を多く活用し、
露出度を高くすることも重要な戦略の一つですが、
それと同じくらい「口コミ」で大学の評判を広げることも重要です。
生徒の満足度を上げ、口コミで評判を呼ぶまでには、
時間はかかりますが、長期的に考えた場合、
世間から信頼を得ることは何よりの大学の「財産」になるはずです。

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